カバンから白菜が出てきた。昨日、八百屋で買った白菜をカバンに入れたまま取り出すのを忘れて一晩を越させてしまったのだ。
昨晩、労働からの帰りに、「今日は調理しないが、明日使うために白菜を買っておこう」という生産的な発想で八百屋に寄り、「袋をもらうのはもったいないから、カバンの中にしまおう」と生産的な発想で白菜をしまった。そのまま歩いて帰りながら生産的な発想で次の労働の段取りを考え、帰宅した時にはカバンの中身のことをすっかり忘れてしまっていたのだ。
これは間違いなく生産性至上主義が引き起こした事件だ。生産性があった昨日の俺のツケが、生産性がすっかり抜けた今日の俺に回ってきているのだ。人が2人向き合ったら、そこに社会ができる。決して個人の「うっかりミス」などではない。これは社会が取り組むべき課題なのである。
朝イチから生産性の恐ろしさを味わったので、生産的じゃない生活を取り戻すためにYouTube漁りをしてたら、無料で観られる映画があることに気付いた。YouTubeが有料レンタルの映画配信をしてることは知ってたけど、有料プランだと追加料金なしで観られる映画があることに気付いてなかった。(広告が厳しすぎるので)YouTubeの有料会員になってずいぶん経つけど、だいぶ有料会員特典をムダにしてた。これは生産性がないねぇー。いいぞいいぞ。
生産性は低くとも会社と揉めると面倒なので、一応勤務時間が終わってから、「KCIA 南山の部長たち」という映画を観た。朴正煕暗殺事件を元にしたサスペンスドラマ。仕事熱心で(謀略、弾圧、拷問などで)生産性の高い人たちが過熱していった挙げ句、テンション最高潮で決裂し、凄惨な暗殺事件に至るという物語。
生産的な人たちは恐ろしいな。生産性がなければ、ただ緩やかに亡んでいくだけで済むんだけど。