刷り込みは反省したってどうにもならない

YouTubeで古いテレビCMを観るのが好きだ。今日観てたら古今亭志ん朝が主演する「錦松梅」のCMが流れた。

錦松梅って「高級っぽいけどピンとこない」ものとして当時のお子様脳に刻まれていた。見た目が茶色くてガキの目には美味しそうに見えないのだ。しかし志ん朝のアダルティな滑稽味のある演技によって「大人の食べ物」というイメージだけが強烈に刷り込まれた。

そして時は経ち、俺も大人になって茶色い食べ物が大好きになった。今こそ錦松梅に手を出すべき時なのではないか。

俺って基本的に雑な暮らしをしていて、金の使い方も雑なのだが、根っからの貧乏性と「家計簿をつけ忘れると俺はたちまちに破滅して死ぬ」というノイローゼ力(ちから)によって破綻せずに暮らせているだけである。お陰で破綻はしていないものの、「大人の贅沢」みたいなものがよくわからないままこの歳になってしまったな、という思いがある。今更「モノを買う」ことを始めてみても、元々性格が雑なので維持管理ができないだろう。そこで食い物である。

調べると、有田焼きの器に入ったパッケージで5千円超ぐらい。同じ金額で焼肉ならそこそこだが、ふりかけと考えたら高級である。何より「パーッと焼肉行きました」より「高級ふりかけを買いました」の方がどことなく大人っぽい感じがしないか。「贅沢」ってのは、やっぱいつもとはちょっと違ったことをやってみて、いつもとは違う世界を覗いてみるものなのではないか。

てなこと考えてからスーパーに行ったら「CoCo壱番屋監修 カレーふりかけ」「松屋 創業ビーフカレー味ふりかけ」が並んでいるのを見つけてしまって両方ノータイムでカゴに放り込み、買って帰ってきた。よく考えたらカレーは大人になる前から大好きな茶色い食べ物じゃんかよ。「カレーはうまい」って認識は物心つく前から刷り込まれた脳の獲得形質と言っても過言じゃない。

早速ココイチの方を食べてみたけど、風味がよく再現されてると思った。発作的にココイチのカレーが食べたくなったら、このふりかけでいいんじゃないかな。と思ったけど、別に俺はココイチのカレーを我慢しなきゃならないほど貧しいわけでもなかった。貧乏性ってのは脳に刷り込まれると、自分の意思の力だけではやめられないものなのだ。