『セルサバイバー』というスマホゲームが雑すぎて面白い。
これは医療をモチーフにしたシューティングというか、変則タワーディフェンスみたいなゲームだ。この手のゲームはリアルタイムに細かく操作する必要がないので、俺のモバイルゲーム観に合っていて遊びやすい。
医療は「悪い原因(病原菌など)をやっつけると、良い結果(健康)が得られる」というわかりやすい設定を当てはめやすく、古今東西色んなゲームに用いられるモチーフだ。日本でも『ドクターマリオ』を筆頭に、色んなビデオゲームで用いられる。
そして所詮ゲームの世界設定となれば、ディフォルメは避けられない。『ドクターマリオ』もカプセルを投げつければ病原菌が消える、という極めて単純化されたハリボテをパズルゲームにすっぽりかぶせている。
しかし、『セルサバイバー』の雑さは他の追随を許さない。
このゲームのプレイヤーは(ドクターマリオと同じく)カプセルをメインの武器として、何故かサナダムシみたいにニョロニョロした姿をしているウイルスたちと激闘を繰り広げる。
カプセル以外の武器となるスキルとして、所定の位置に留まってダメージを与え続ける「医療用綿棒」、名前の割に相手を問わずどんな症状にもダメージを与える「特効薬」辺りのざっくり感は御愛嬌。ウイルスに刺さってダメージを与える「鍼灸」、ゴロゴロとウイルスを踏み潰す「マッサージ棒」辺りのスケール感のおかしさはまだ序の口。

鋭いトゲが飛び出してきてウイルスを攻撃する「骨増殖症」辺りが極めつけだ。それってスケール感のおかしさは脇に置いた上で、ウイルスは撃退できたとしても身体組織が修復不可能なぐらい破壊されるんじゃないか。まだ入手できてないけど「痛風」「魔法の本」とかいうスキルもメニュー上に見えている。前者も相当おかしいが、後者はネタ出しをあきらめ過ぎだろう。もうちょっと何かあっただろ。
ウイルスの方も10面でネタが尽きたのか「妲己(中国古代王朝の王妃、悪女として有名)ウイルス」なんてのが出てくる。

「医療がテーマ」となると、何かきちんと調べなきゃいけないんじゃないかとか、変な設定を付けてプレイヤーに誤解を与えてはよくないんじゃないかとか考えてしまいがちだが、『セルサバイバー』をプレイしてると、「別にモチーフのことを調べないで作品を作っても許されるんだな」と肩から力が抜けてくる。
仮に、ゲームをプレイして生物や医療のことを誤解するようになったとしても、それはそいつがアホなんである。自分の身体のことなんだから、ゲームになんか影響されてないでちゃんと調べろよという話で終わりだ。何でもかんでも手取り足取り親切に他人が教えてくれることを期待するほうが無理がある。大人になるってこういうことだね。
このゲームは、違いがわかる大人のためのゲームです。